おくすりQ&A ▶ 目薬の使い方


Q 目薬をさした後に、目をパチパチさせないよう注意されましたが、本当ですか?
A 目薬をさした後、目をパチパチさせると、目薬が目の表面全体にいきわたるように思いがちですが、そうではありません。折角さした目薬が涙と一緒に目頭の方に集まって、のどの方へ流れ出てしまいます。そのため、効果が弱くなったり、のどに流れた目薬による副作用が出たりする可能性もあります。
正しい目薬のさし方は、目薬をさした後、しばらく目を閉じ、そっと目頭を押さえて下さい。(およそ1分)。目薬が鼻の方へ流れるのを防ぎ、効果がより強くなり、副作用を防ぎます。


Q 目薬をさす時に、距離がわからなかったり手が震えたりしてうまくさせません。どうしたらうまくさせますか?
A 目薬をさすときは逆さにした目薬の容器の腹の部分を親指と人差し指でつまむように持ち、他の指はげんこつを作るようにします。げんこつの小指側を頬につけ下瞼を少し下に引くような感じにしてさすと、手元が安定してさしやすくなります。
ただし、目薬をさすときは目薬の容器の先端が目やまぶたに触れないよう注意してください。どうしてもうまくさせなければ、「点眼補助具」もありますので、薬剤師にご相談ください。


Q 目薬を開封したのですが、薬に記載されている使用期限内であればずっと使うことができますか?
A 一般的に目薬は開封後1ヶ月以内で使用し、残った分は破棄することが望ましいです(特に薬の安定性が悪いものは、開封後使用できる日数を記載してあるものもあります)。
これは開封により容器内に雑菌が入り、薬剤が清潔ではなくなってしまう可能性があるためです。目薬の容器内の汚染を防ぐため、点眼時には、はずしたキャップを清潔な場所に置き、目薬の容器の先端を手で触ったり、まつげや目の表面に触れたりしないよう注意してください。
また、保管方法(遮光、室温保存、冷所保存など)の指示を守ってお使いください。


Q 薬剤師さんから目薬は1滴で十分といわれましたが、ほんとうに1滴で十分ですか?
A 1回の 目薬 の量は1滴入れば十分です。目薬は涙と混ざり合った後、主に角膜を透過して目の中に移っていきます。目薬 1滴の半分近くは結膜外にあふれるか、あるいは涙点から吸い込まれて喉へ排出されてしまいます。
また、目薬 を何滴も点眼しても、眼内の薬物濃度は変わらず、あふれ出た成分や保存剤により、かえって目のまわりに炎症等を起すことがあります。


Q コンタクトレンズをつけたまま目薬をさしてもいいですか?
A コンタクトレンズをつけたままで目薬をさすことは、原則的にすべきでないとされています。これは、目薬の成分や目薬に含まれる防腐剤がコンタクトレンズにくっつき留まることにより、目の表面の角膜に障害を起こすためです。
その一方、コンタクトレンズによる目の乾燥症状に対して行う人工涙液型と呼ばれる目薬は、コンタクトレンズをつけている時にさすことを目的としています。


Q 数種類の目薬をさすときは、順番があるのですか?
A 指示がない場合はそれぞれの目薬をさす間隔を5分以上あければ、基本的に順番を気にする必要はありません。
ただし、持続性点眼薬と呼ばれる目薬(チモプトール R XEなど)は目の表面で薄い膜を作り、他の目薬の吸収を低下させるため、目薬を指す間隔を5分以上あけて最後にさしてください。
また、懸濁性点眼薬と呼ばれる目薬(使用する前に振るもの)も、製剤上の理由から後からさした方がいいとされています。


Q 透明ではない袋には入っている目薬は、必ずその袋に入れておく様にと指示されましたがどうしてですか?
A 目薬の成分によっては、光で分解するものがあるためです。又、温度が高くなると変化する成分もありますので、特に指示がない場合は室温で保存してください。


Q 子供に目薬をうまくさす方法はありますか?
A お子様と向かい合い、上を向かせます。片手で下まぶたを軽く引いて目薬をさした後、少しの間(できれば数分)目をつぶらせてください。目のまわりについた目薬は清潔なタオルやティッシュで拭いてあげてください。また、目薬をさすときには、目薬の先がまつげやまぶたに触れないように注意してください。
小さなお子様は目薬を怖がることが多く、目をつぶったり、首を振ったりすることがあります。その場合は、床に座って、だっこするようにお子様を膝の間に上向きに寝かせ、お子様の頭を固定し、顔を見ながら、下まぶたを軽く引いて 目薬をさ してください。その後少しの間、目をつぶらせるようにしてください。嫌がってどうしてもじっとしない場合は、お子様を仰向けにさせ、馬乗りにまたがり、両太ももで頭をはさんで固定する、あるいは お子様を仰向けにさせ頭側から足を広げて座り、頭を股の間に挟み両足で腕や体をおさえる方法もあります。お子様が泣いているときは目薬が涙で流れてしまいますので、泣き止んでから目薬をさしてください。
目薬をさすときの一般的な注意点です。
①点眼前には必ず手を洗ってください。
②目薬は1滴で十分です。
③2種類以上使用する場合はそれぞれ5分程度間隔をあけてください。
また、むやみにさしたりせず、指示された点眼回数を守るようにしましょう。





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