おくすりQ&A
▶ 薬の副作用
Q
小児科で「喘息の原因がサリチル酸と考えられるので、解熱剤は飲まない方がいい」と言われました。解熱剤はどんなものでも飲んではいけないのですか?非ピリン系の子供用解熱剤や感冒薬も飲んではいけないのでしょうか?
A
サリチル酸とはアセチルサリチル酸のことだと思われます。アセチルサリチル酸とはアスピリンのことで、アスピリンによって引き起こされる喘息をアスピリン喘息と言います。ちなみにアスピリンはピリン系の薬ではありません。
アスピリン喘息を起こしたことがある人はアスピリンだけでなく、非ステロイド性消炎鎮痛薬( NSAIDs )と言われる系統の薬を服用してはいけないことになっています。
また、非ピリン系の子供用解熱薬の成分としてアセトアミノフェンと言う薬が使われていることがありますが、アセトアミノフェンもアスピリン喘息の人は服用してはいけません。総合感冒薬の中にもこれらの解熱鎮痛成分が入っていることがありますので、成分をよく確認して服用してください。服用する際は自己判断せずに、必ず医師・薬剤師にご相談ください。
アスピリン喘息をお持ちであれば、診察時や薬をもらう時に必ず医師や薬剤師にそのことを伝えるようにしてください。また、どうしても解熱剤を服用したい場合にも医師・薬剤師にご相談ください。
Q
アモバンという薬を飲み始めてから、朝起きたときに口の中が苦い感じがします。何か薬の悪影響が出ているのではないでしょうか?
A
本来、アモバンという薬は飲んだ後に腸から速やかに吸収されて全身に行きわたり、脳に作用して入眠作用を示しますが、その成分のごく一部が唾液の中に出てきて、それを苦味として感じることがあります。ただし、分泌される量は非常に少ない量ですので、体に害はありません。うがいをするなどして対処してください。もし、非常に気分が悪いとか、吐き気がするといった症状がある場合は、医師・薬剤師にご相談下さい。
Q
グルコバイという薬を飲んでから、お腹が張ったり、おならの回数が増えたりして困っています。これは副作用なのですか?
A
グルコバイ、ベイスンなどの薬は、食物中の炭水化物を分解して糖分に変えるα-グルコシダーゼという酵素の働きを抑えることで、糖分が急激に吸収され食後の血糖値の急上昇を抑える働きがあります。この分解されずに残った糖分が、腸内細菌によって分解されるとガスを発生するため、お腹が張ったり、おならの回数が増えたりするのです。しかし、これらの症状は服用を続けることで体が慣れてくることが多いので、しばらく様子をみてはいかがでしょうか?ただし、差込むような腹痛や下痢などの症状があらわれた場合は別の副作用の可能性もありますので、 医師や薬剤師にご相談ください。
Q
グルコバイを服用していますが、低血糖症状が起きたときは砂糖ではなく、必ずブドウ糖をとるように言われました。それは何故ですか?
A
グルコバイ、ベイスンなどの薬は糖分を分解する酵素の働きを邪魔することで、その吸収を遅らせ、食後に起こる血糖値の急上昇を抑える薬です。従って、グルコバイなどを服用しているときに砂糖を摂取しても、薬の作用によって吸収が遅れ、 その間に低血糖症状が進行してしまう可能性があります。ブドウ糖を摂取した場合、グルコバイなどの影響を受けることなくそのままの形で吸収されるので、グルコバイなどを服用しているときの低血糖症状に対しては、必ずブドウ糖を服用するようにしてください。s日頃よりブドウ糖を持ち歩いておくと、いざというときにすぐに対処が出来ると思います。
Q
結核の薬でリファンピシンという薬を飲んでいますが、これを飲むと便の色が赤くなることがあります。薬の副作用ではないかととても心配で飲むのをやめようかと思うのですが・・・。
A
リファンピシンという薬はそれ自体が赤い色をしています。この薬を服用していると、尿や汗、涙あるいは便の色が赤っぽく変化することがあるため、汗で服に赤い色がつくことがあります。また、ソフトコンタクトレンズに色がつくこともあり、洗浄液でもとれませんので注意してください。
ただし、いずれも薬の成分が出てきたものですので心配する必要はありません。きちんと服薬を継続しないと、薬が効かない結核菌(耐性菌)が出てくる可能性もあります。医師から指示された期間はきちんと忘れずに服用するようにしてください。
Q
今日、医師からアスピリンをもらいました。以前ピリン過敏症と言われましたが、服用しても大丈夫ですか?
A
名前にピリンとついていますが、アスピリンは非ピリン系です。この場合は服用しても問題はありません。
解熱鎮痛薬にはピリン系と非ピリン系薬剤があります。ピラゾロン系の薬剤を「ピリン系」と言い、アンチピリン、アミノピリン、スルピリン(メチロン)などがあります。
Q
睡眠薬を飲んだら、ぼけるのでしょうか。
A
睡眠薬とぼけ(老人性痴呆・認知症)は無関係だと言われています。この種類の薬によってもたらされる「一時的な記憶障害」は、薬を服用し、効いている間は新しく情報を記憶する力が低下しているため、この期間の情報は後になって思い出すことができませんが、薬が体内で消失するともとに戻ります。アルツハイマー型などの病的な認知症(痴呆)とは違います。
Q
漢方薬は副作用の心配がないって本当ですか?
A
漢方薬でも副作用や相互作用(薬の飲みあわせ)は起こります。漢方薬は体質や症状(証といいます)によって使い分けます。証が合っていないと、効果がないだけでなく、思わぬ副作用が起こる場合もあります。
また、相互作用(薬の飲みあわせ)についても同じで、飲みあわせによっては重い症状を引き起こすこともあります。漢方薬についても医師や薬剤師から十分説明を受けて服用しましょう。
また、薬局・薬店で漢方薬を買う場合もしっかり説明を受け、正しく薬を服用しましょう。ただし、証が合っている場合でも副作用は起こり得ますので、副作用には十分ご注意ください。
Q
子供が鉄欠乏性貧血のため鉄剤のシロップを飲んでいます。このごろ歯の付け根が褐色に変色していて、歯を磨いてもなかなか落ちません。このまま薬を続けても大丈夫でしょうか?
A
鉄剤のシロップを飲んでいると歯が黒っぽくなることがありますが、これはシロップの中の鉄分が歯の表面に残っているためで一過性のものです。まめに歯ブラシしていただくことで改善できると思いますが、歯ブラシだけでなかなか落ちないときは重曹(じゅうそう)入りの歯磨きを使うと使うとよいです。それでも落ちないようでしたら何かほかに原因があるかもしれませんので、歯科医などにご相談ください。鉄欠乏性貧血の改善には時間がかかります。ご自分の判断で中止しないで、主治医と相談しながら服用を続けてください。
▲ ページトップへ
Copyright © 2016 - Nagasaki Society of Hospital Pharmacists. All rights reserved.