おくすりQ&A
▶ ジェネリック医薬品について
Q
ジェネリック医薬品という名前を最近聞きますが、どういうものですか?
A
新薬として発売された薬は特許によって守られ、開発した医薬品メーカーが独占的にその薬を販売することができます。これが先発医薬品です。ところが、発売されて10~15年経過すると特許が切れ、他のメーカーも同じ成分・効果の薬を製造・販売できるようになります。これが後発医薬品またはジェネリック医薬品と呼ばれています。このタイプの薬は薬の開発・研究費用がかからないため、価格が安いのが特徴で新薬の2~8割に設定されています。
Q
ジェネリック医薬品はなぜ安いのですか?
A
新薬はその有効成分から開発が始まり、有効性・安全性の確認後、承認されて発売されるため、発売までに10~15年かかるとされ、その費用も150~200億円と莫大です。しかし、ジェネリック医薬品はすでに長年使われていて臨床における有効性、安全性もある程度確かめられた有効成分でできていますので、承認・発売までの手続きが少なくなります。当然、開発や研究にかかる時間も費用も少ないので、国が新薬の2~8割の価格に設定しています。
Q
ジェネリック医薬品はきちんと効くのでしょうか?
A
近年承認されたジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ速さ、同じ量で薬の成分が血液中に入っていくかどうかを調べる試験を経て発売されていますので、先発医薬品と同等の効果が期待されます。
Q
ジェネリック医薬品を使用するメリットは?
A
患者様の薬代の負担が減り、家庭での医療費の節約に役立ちます。慢性の疾患では薬代が高いので、通院や薬の服用をやめられる方も少なくありません。ジェネリック医薬品の使用により、正しい治療を無理なく続けられる環境が整います。さらに、高騰する医療費の抑制にもつながります。ただし、医薬品によってはジェネリック医薬品の選択により支払額が高くなる場合もあります。
Q
どうすればジェネリック医薬品を処方してもらえますか?
A
国の方針として採用がすすめられているジェネリック医薬品ですが、現在、どこの医療機関でも扱われているわけではありません。ジェネリック医薬品を使用するには医師の処方が必要ですので、まずはかかりつけの医師・薬剤師にご相談ください。ただし、先発医薬品の有する適応症(病名・臨床症状)への使用が承認されていない後発医薬品もあるため、希望しても先発医薬品からの切り替えが出来ない場合があります。
Q
ジェネリック医薬品を使用するデメリットがありますか?
A
使用に際し て 問題がないわけではなく、以下のような問題が挙げられます。
① 先発医薬品と同じ規格が揃っていない医薬品があります。
② 医薬品の添加物が違うことが多いため、外観、味覚、使用感が異なることがあります。
③ 添加物が変わることでアレルギーを起こす患者様がおられます。
④ メーカーからの供給の関係ですぐに購入できない製品もあります。
⑤ 有効量と有害量、もしくは無効量との差が小さく、正確な量を投与しなければならない薬の場合、ジェネリック医薬品に変更することで血中濃度が変化し、有効性が得られない、あるいは副作用が起きる可能性があります。
こうした事例を含め、後発医薬品への変更が不適切な例がいくつか存在します。
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